アサヒ地水探査株式会社

アサヒ地水探査株式会社

主な井戸改修工法

井戸内面の汚れ・スケール対策

井戸内面(ケーシングパイプ)の汚れを放っておくと、鉄細菌(鉄バクテリア)の発生や目詰まり、ケーシングパイプや揚水管の腐食を早める原因になります。いわば「万病のもと」です。
井戸内面の清掃工法であるブラッシング工(下図左)は、最も基本的な井戸のメンテナンス工法です。またスワッビング工(下図右)は、ブラッシング効果に加えて吸引効果によるスクリーン洗浄を行うものです。ただし井戸管の腐食が進んだ井戸では、井戸管を破損させないためにスワッビングの「手加減」も重要です。
揚水管も、井戸管同様スケールが付着するため、目詰まりや腐食の状態によっては交換の必要があります。

井内ブラッシング工法
井内スワッビング工法
井戸内面の清掃工法

砂などの堆積

砂が多く出る井戸では、定期的に浚渫(しゅんせつ)を行わないとスクリーンが埋没し、揚水量の減少につながります。すべての井戸にはそれぞれ湧出能力に見合った適正な揚水量がありますが、それを上回る揚水を行った場合にも地層の砂を井戸に呼び込んでしまうことがあります。
もうひとつ、井戸の浚渫工事には堆積物の除去以外にも重要な役割があります。井戸底の堆積物の種類やその量は、砂の流入のほかに井戸ケーシングの損傷状況(腐食による錆、スクリーン破損による砂利の流入など)をうかがい知る重要な手がかりです。
ブラッシング工と併せて、定期的な実施が有効です。

井内浚渫工法(ベーラー)
井内浚渫工法(エアリフト工法)
代表的な浚渫工法

スクリーンパイプの目詰まり・揚水量の大幅な減少に、

スクリーンパイプ(井戸の取水部分)の目詰まりが進むと、揚水時の水位が以前よりも低下し揚水量は減少します。それがさらに進み揚水水位が下がりすぎると、スクリーンパイプが空気にさらされてスケール(Scale:水垢等、管内の付着物、堆積物)が発生しやすくなり、大幅な揚水量減少を引き起こします。また、目詰まりによって井戸内への地下水の流入箇所が偏り、砂を呼び込みやすくなります。

バックウォッシング工法
このような、井戸本体の目詰まりの解消に最も有効な工法がバックウォッシング工法(左図)です。
バックウォッシングは、井内逆流水圧洗浄とも呼ばれ、揚水と注水を繰り返すことで井戸内外双方向の水流を交互に発生させてスクリーン部分や周囲の充填砂利の洗浄を行う工法です。
鉄細菌(鉄バクテリア)による目詰まりには、薬品処理やオゾン散気(マイクロバブル)処理を併用するとさらに効果的です。
スクリーンパイプの損傷が疑われたら、

井戸管のスクリーンパイプ(取水区間)の維持管理は井戸運用の生命線です。
揚水に伴って砂利が上がってくるなど、スクリーンの損傷が疑われた場合、水中テレビカメラ調査で損傷箇所を確認し、二重ケーシング(下図)等の工事を行い、損傷の拡大を防ぎます。

二重ケーシング工法
水中カメラ調査

二重ケーシングは、地下水が井戸へ流入する際の抵抗ともなるため、一般に井戸設置当初の湧出量を下回ります。またスケールによる目詰まりも起こりやすくなるため、その後の定期的な井戸洗浄は不可欠です。
しかしスクリーン破損によって井戸として機能しなくなる、というリスクを回避するためには必要な処置です。
損傷がひどくならないうちに二重ケーシング化できた場合、将来目詰まりした際に、内挿管の交換も可能です。